~~~はじめに~~~

         「被差別部落」…皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
私が、このブログを始めることにしたのは、職場で「○○地区は危ない」などと
“心無い会話”が聞こえてきたからでした。それも複数の方から…。政策的には、約150年前に「解放」されたはずの被差別部落ですが、職場だけではなく、インターネットやパルプマガジン(低俗雑誌)などで、今尚、多くの差別があることを実感します。被差別部落出身の妻と結婚し、部落の暮らしを知る中で「部落の良さや暖かさ」を皆さんに伝えたいと思います。

2015年3月17日火曜日

被差別部落の受験シーズン

いつも「被差別部落の暮らし」をお読み頂き、誠に有難うございます。

少し前、被差別部落の正月風景を書きましたが、早いものでもう3月も半ば。
被差別部落だけではないですが、巷では今、進学シーズンを迎えております。
被差別部落在住の私の姪っ子(妻の姉の子)も、先日、高校を受験し見事合格しました。
小さな頃から、あまり勉強が出来ない様子でしたので、
叔父の私もひと安心で、胸を撫で下ろしております。

さて、そんな巷の受験シーズンに合わせて、
被差別部落の受験シーズンについて、今日は書いてみようと思います。

ただ、「被差別部落」だから、特別何かあるというわけではありません。
受験も、なんら、変わりがありませんので、記事になるか心配なのですが・・・。

現在では、被差別部落も一般地区と変わらない進学率になっておりますが、
少し前、そうですねぇ・・・昭和の中頃ぐらいまででしょうか?
進学率どころか、就学率ですら劣悪な時代が続いていました。

江戸幕府が崩壊し、明治維新後、新政府が樹立され、
明治4年に、所謂『解放令』(=通称。正式には「穢多非人の称を廃す」という太政官布告)が
出されるのですが、この太政官布告は、「称」を廃するにとどまらず、
それまで彼らに与えられていた権利(職業)をも廃してしまいました。

それにより、それまでエタ身分であった、部落民の先祖たちは、
斃牛馬の処理権や、役人業務などの職業的特権をも取り上げられ、
部落民達の生活は、一気に困窮を極めました。

それ以来、近年に入るまで、(特に、S44年、同和対策関連の法律が施行されるまで)は、
家の事情で学校に行けない・親が行かせない・
例え学校へ行っても、学内で教師や他生徒の差別にあうetc・・・。

そこには、あらゆる面で「学校に行けない」状況がありました。

それでも、同和関連法の施行により、住環境が改善されるに従い、
就学率が増加、それに伴い、高校~大学への進学率も増加していきました。
ようやく、一般地区との進学率の差がなくなってきたのは、ここ二十余年程の事かと思われます。

さて、進学に関して、今日は少し突っ込んだ話をいたしましょう。
その前に、言っておかなければならないのですが・・・
これは、あくまで過去の話です!

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部落(同和地区)生徒の進学率が低かったのは、いくつかの要因があるのですが、
その一つに『貧困』が挙げられました。

つまり・・・
「日雇いや、内職などの不安定な仕事に就いていた、
いや、日雇いでも仕事があるのならまだいいほうで、職がない方も多かったので、
貧困で学校へ行かせる事が出来ない。」
という訳です。

そんな訳で、長く学校へ行けなかった子供たちのために、
同和対策として「奨学金」を出しましょうという施策が出来ました。
所謂、同和奨学金といいます。
【勿論、現在は廃止されておりますので、奨学金や家賃減免等の同和施策は一切ありません】

奨学金というのは、本来は「お金を借りて学校へ行き、就職後に返済する」
出世払い制度であるのですが、一部自治体では、不明瞭な奨学金システムで、
後年、問題になるケースがありました。

例えば、K市の場合「各人に貸付された奨学金を、K市が肩代わり返済する」と
言うシステムが構築されており、実質的に、借入者からの奨学金の返済は行なわれておらず、
市民ウオッチャーが、当時の市長であるM氏他への損害賠償請求を起こし、
M氏他への賠償命令がでています。

この奨学金を始め、部落への各種の施策が、「なんで部落だけ?」と言う、
「逆差別論」が出たことも事実です。

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部落(同和地区)には、住環境の改善を始め、色々な施策が行なわれたのは、
皆様承知の通りであります。
それに対して、一般地区の方々の中には、「同和優遇・逆差別・同和利権」であり、
それが新たな差別に繋がるという指摘をされる方々もおられます。

しかし、どうでしょう?

同和施策というのは、法律や条例に従い制定し、国や自治体が施行しておりました。
我々が選んだ代議士により決められた施策、つまり、
我々が決めた施策と言っても過言ではありません。

勿論、施策である以上、賛否両論があるのは当然ですが、
そこは、多数決の原理=民主主義の原理であります。
中には、K市のように行き過ぎた施策もあり、それは批判に値しますが、
多くの同和施策は、正当な過程を経て実施されております。

私は、これを部落民の権利(ケンリ)であると認識しており、それによって部落民が
批判の対象になるような事があってはならないと考えます。

ただ、この様な同和施策も、
「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」の終了と共に、
平成14年完全終結いたしました。
現在は、このような奨学金や、家賃減免等の数々の同和施策は一切終了しました。
私の義姉も、他の家と変わらずでしょうが、「入学金も学費も高いしイヤや~!」と
ブツブツこぼしております。

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今日のこの記事に関しましては、色々ご批判もあろうかと存じますが、
このブログでは、事実を事実として書くことをモットーにしておりますので、
あえて、受験進学シーズンに合わせて、このような記事を書きました。
これからも、「被差別部落の暮らし」をよろしくお願いいたします。

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